ギターアンプ適当解説③【Marshall/マーシャル】

Axe-fxやKEMPERのアンプ選びのためにギターアンプを適当にまとめていく!

今回は、ギターアンプで代表Marshall!

 

とりあえずポイント

  • 高域キンキン/ジャキジャキ(個人の感想)
  • 60〜70のロック/ブルースならプレキシ
  • 80年代のHR/HMならJCM800
  • 最近のメタルならJVM


1.JTM45 (1962〜)

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 マーシャル最初のアンプで、60年代初頭に発表会された。

 フェンダーのベースマン(5F6-A)の回路を忠実に再現して作られたが、英国製の部品を使って独自のトーンを実現している。

   フェンダーとの差別化でスタックアンプとなり、ヘッドアンプに4×12キャビネットの組み合わせは、今でも定番となっている。

   サウンドは、ツイードフェンダーと評されることもあり,後のプレキシと違いSagが多くクランチが弱いため,HR/HMよりブルースやロック向きのトーン。

 The Whoのピートタウンゼンドの使用が有名で、ゲイリー・ムーアの『Still Got The Blues』はJTM45で録音されたり、エリック・クラプトンが有名な66年のBeanoアルバムで、ブルースブレイカー(JTM45コンボ版的モデル)を演奏したりしている。

   2つのチャンネル

  • Normal:暗いトーン
  • High Treble:非常にブライト+低音強い

があり、それぞれに2つの入力があります。

※High Trebleチャンネルは、フラビーでファジーになるのを防ぐためにBassを0にするのも珍しくない。

  

2.1962(Blues Breaker) (1966〜)

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 1966年発表のMarshall初のコンボアンプで、クラプトンの要望で運搬しやすいように作られたもので、JTMのコンボ版。

 クラプトンが「ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ」で使用し、「Bluesbreaker」の愛称になる。

 クリーミー、ブルース向きサウンドで、JTM45と同様に2つのチャンネルがある。

  1. Normal:ダークなトーン
  2. High Treble:明るいトーン

 

3.1959/1987(1965〜)

   Marshallだけでなくロックアンプを代表する名機。  

  マーシャルとフェンダーが大音量のアンプを作り始めた1965年頃に登場して、JCM800に置き換わるまで約20年間製造され、4x12キャビネットとセットで「マーシャルスタック」を生み出した。

 マスターVoがないため歪ませるためにはボリュームを上げる必要があり、よくフルテン設定がされる。

(1)1959 (Super Lead 100)

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 ヴィンテージマーシャルの代表モデル。

 1959という名称はモデル名で、リリース年のことではない。

 1970はそれ以前よりダークでスムース。

(2)1987

 50W。1959の弟的モデル。

 容量が小さい分、1959より歪みやすい。

 イングヴェイが使用。

※プレキシ

 65〜69年頃のマーシャルは、コントロール部がプレキシグラス(アクリル板)のため「プレキシ」と呼ばれ人気が高い。パネルは後にアルミに変わったが、73年頃まではハンドワイヤリングで人気が高く、その後はプリント基盤になった。 

 ジミヘン、AC/DC、ヴァンヘイレンなどが使用。

※ブラウンサウンド

 ヴァンヘイレンサウンドの愛称。

 ヴァンヘイレンは、68年製プレキシをVARIAC(電圧スライダー)を使って電圧を下げてゲインを増やした。

※たすき掛け、ジャンパー接続、チャンネルリンク

 2つのインプットをシールドで繋いで2つのチャンネルをミックスし、片方のチャンネルのボリュームをマスターボリューム的に使用する接続方法。

※他モデル

 1992 Super Bass 100(ベース用)、Super P.A(PA用)もあるよ。

 

4.Major(又は200)

 200Wの超大音量仕様。

 リッチーブラックモアがたすき掛けをして使用したことで有名。

 

5.JMP 2203 / MV(1975〜)

たすき掛け解消のためマスタボリューム搭載。

マスターVo搭載モデルのことで、これ以前のものをNon-Masterと総称されたりする。

ジェフベック、ランディローズ、ザックワイルド、アンディサマーズなど使用


6.JCM800 (1981〜)

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⑴概要

 最も売れたマーシャルアンプで、80年代のHR/HMサウンドを作った。

 ハイゲインではないので、ゲインアップ改造やペダルブースター使用で、ゲインが補われることが多かった。

 マイケルシェンカー、ザックワイルド、スラッシュ、フルシアンテなどが使用

⑵機種

  • 1959、1987(マスターVolなし/100W、50W)
  • 2203、2204(マスターVolあり/100W、50W)
  • 2210、2205(MVolあり、2CH仕様/100W、50W)←流通少ない

100Wは、切れ味鋭くクリア。

50Wは、ミドルに太い粘りあり、MV上げると太く、下げると細いサウンド

 

7.2555/Silver Jubilee (1987〜)

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マーシャル25/50周年モデル

JCM800(2203/2204)がベースだが、よりゲインが高くやや暗くスムースなサウンド

リズム/リードの2ch切り替え機能や100/50W切り替え機能などを搭載。

スラッシュ、アレックスライフソン、フルシアンテが愛用。


8.JCM900

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⑴概要

 90年代のハイゲインマーシャル。

 JCM800にハイゲイン回路を足したモデル。

 レクチや5150等のハイゲインアンプに対抗しようとし、パワー管に5881、歪み回路にダイオードクリップを入れ、乾いたアメリカンなハイゲインサウンドになった。

 2チャンネル機種でもEQは共通。

⑵機種

  • 4100:2ch100W JCM900の代表
  • 4500:2ch50W
  • 2100:1ch100W
  • 2500:1ch50W


9.JCM2000

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↑DSL100

⑴概要

 1999年からフラッグシップモデルとして登場。

 パワー管をEL34に戻しブリティッシュサウンドへ回帰。

 歪み回路にはダイオードからICチップに変更したクリップ回路で歪みを制御。ICではなく真空管を増設してハイゲインを作るモデルもある。

 歪みChは、Classic(1959系)とUltra(JCM系)がある。

⑵機種

  • DSL2ch ←こっちが有名らしい
  • TSL:3ch


10.JVM

Electric guitar amp head Marshall JVM410H Head

JVM 410H

(1)概要

2010年からフラッグシップとして登場。

歴代マーシャルの集大成的な内容。

4CH(Clean/Crunch/OD1/OD2)× 3モード(Green/Orange/Red)

OD1〜2チャンネルはかなり歪むよ。

Gre→Orn→Redでゲインが増えてモダン風サウンドに。

⑵チャンネル、モード

①Ch1:Clean
②Ch2:Crunch
  • GreJTM45、1959Plexiと同じプリ回路(ゲイン×2+トーン)。オリジナルよりゲイン多い。
  • OrnJCM800/2203。ゲイン×3+トーン。
  • Red:JCM800を極限まで歪ませたサウンド
③Ch3:OD1
  • Gre:JCM800を極限まで歪ませたサウンドCrunchのRedと同じサウンドだけど、違う設定で使える狙い)
  • OrnGreよりゲインアップ。HR/HMに合う。
  • Red:Ornより+ゲイン+ファット
④Ch4:OD2

CH3と比べて、ミドルの中心が650から500Hzに変更したチャンネルで、CH3よりアグレシッブなハイゲインサウンド

※CH3はファットなのでリード、CH4はエッジが効いてるのでリズムに向いてると思うよ。

(3)機種

210H2Chモデル

410H:4Chモデル

 

11.シグネイチャー

⑴YJM100

User reviews: Marshall YJM100 Yngwie Malmsteen Signature - Audiofanzine

 イングヴェイモデル。

 1959がベース。

⑵JVM410HJS

JVM410HJS Joe Satriani Edition Marshall - Audiofanzine

 サトリアーニモデル。

 JVMがベース。

⑶AFD100

User reviews: Marshall AFD100 Signature Slash - Audiofanzine

 スラッシュモデル。

 JCM800がベース。


12.リイシュー

 復刻版モデルのラインナップ

 人気・評価の高いモデルが分かるよー。

  1. 2245(JTM45)
  2. 1959SLP
  3. 1987X
  4. 1962
  5. JCM800 2203
  6. 2555X
  7. JCM900 4100