ギターアンプ適当解説④【Mesa Boogie/メサブギー】


Axe-fxやKEMPERなどを使うとき、アンプの知識があると音作りがはかどります。

 

てことで、今回は、フェンダー、マーシャルと並んでアンプ界を代表するメーカーであり、ハイゲインアンプのパイオニア 「Mesa Boogie」を適当にまとめます!

※実機を弾いたことがあるのはトライアクシスとデュアルレクチだけやけど・・・(´ཀ`  )

 

 

1.とりあえずポイント

 

2.Mesa Boogie

 MESA(Mesa Boogie)は、1971年にRandall Smithによってカリフォルニアで設立された、最も有名なアンプメーカーの1つ。

 当初は、フェンダーアンプの改造をしていたが、それに人気が出て、ゲインとサスティーンを向上させたFender Princetonの改造モデル「snakeskin」がサンタナの目に留まったこともあって人気になり、オリジナルアンプメサブギーがスタートした。

 アンプの中にはMESAの名前を冠したもの(Rectifiers、Lone Star)もあれば、MESA/Boogieのブランドを冠したもの(Bass 400+、Markシリーズ、TriAxis)もある。

 

3.マークシリーズ

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    メサブギーの最初のギターアンプとなったのがMarkⅠで、マークシリーズは、レクチファイアーと並びメサブギーの代表的なシリーズ。

    ボリュームでゲイン、マスターボリュームで音量を調整するというデザインや、複数チャンネル、FXループ、などを発案し、現代のハイゲインアンプの基礎となった。

    プルスイッチやトグルスイッチで、多くのボイシングオプションがあることや、5バンドのGEQが搭載されているのが特徴的で、GEQはV字にするのが定番となっている。

   ドリームシアターのジョンペトルーシーが各シリーズを使用していることで有名で、サンタナメタリカ、ラムオブゴッドなどの使用も有名。

   ラインナップはコンボが中心。

⑴ MK-Ⅰ(72〜)

 メサブギーの最初のギターアンプ

    フェンダープリンストンをよりハイゲインに改造したアンプが、サンタナの目に留まったこともあって人気になり、オリジナルアンプの誕生に繋がった。

    歪みを得るためにはボリュームを上げるしかなかった時代に、ボリュームでゲイン、マスターボリュームで音量を調整するというデザインを生み出し、現代のハイゲインアンプの礎となった機種。

 当初は、「Snakeskin」と呼ばれていたが、MK-Ⅱの登場によりMK-Ⅰと呼称されるようになる。「Snakeskin」は最近リイシューされた。

 サンタナ、ラリーカールトンの使用で有名。

⑵ MK-Ⅱ(79〜)

    世界初の2CHやFXループ搭載など、先進的なデザインだった。

   中でも、Mark ⅡC+は、マークシリーズ史上最高傑作とされ、2016年には、これをベースに開発されたジョンペトルーシーのシグネイチャアンプ「JP2C」がリリースされている。

  1.  MK-ⅡA(79〜):リードChが追加され世界初の2CHアンプ。Vol×2、マスターVol×1でゲインを調節。リズム/リードをスイッチ切替できる、世界初のスイッチャブルアンプ。
  2. MK-ⅡB (80〜):世界初のFxループ、サイマルクラス搭載。
  3. MK-Ⅱ (83〜):Bass Shift機能が追加され、FXループがスイッチ切替できるようになった。
  4. MKⅡC+ (84〜):Mark IIシリーズの最後のモデル。ゲインを上げてボイシングを明るくするため、リード回路にゲインステージを追加したデュアルカスケード回路を搭載。より繊細なリード・チャンネルが特徴。メタリカ、ジョンペトルーシらが使用。

⑶ MK-Ⅲ(85〜)

    リズムCHとリードCHの間に「クランチ」リズム・サウンドを追加し、3チャンネル仕様(Rythm1、Rythm2、Lead)になる。

    CH1,2は全てのコントロールを共有していて、リードCHはリズムCHとトーン・スタックのみを共有し、独立したゲインとMVがある。

    Mark IIIは、Mark IIと同様に複数のリビジョンを経ていて、ボイシングが少しずつ異なるが機能は同じ。

電源コードの入口にある印で次のように区別される。

  • Black Stripe (85)
  • Purple Stripe(86)
  • Red Stripe(87)
  • Blue Stripe(88)
  • Green Stripe(89)

⑷ MK-Ⅳ(90〜08)

    1990年から18年間発売され、歴代マークの中で最も長く製造された。

    3CH(クリーン、クランチ、リード)仕様で、各CHは、ベースとミドルを除いて独立していて、フットスイッチで切替できる。

    2つのバージョンがあるがボイシングの変更は少しで、どちらも高く評価されている。

  • バージョンA:生産開始から1993年9月頃までに製造。ステレオFXループやリバーブ用フットスイッチがなく、リード・チャンネルはMark IIC+とよく似ている。
  • バージョンB:1993年後半から2008年の生産終了までに製造。切り替え可能なリバーブ、切り替え可能なステレオFXループ、他のパワーアンプを駆動するための出力を備えている。

⑸ MK-Ⅴ(2009〜)

マークシリーズの集大成的アンプ。 

3CH×3モードで9種類のサウンドがある上に、色々なスイッチやグライコがあり、クリーン、クランチ、ハイゲインと広い範囲をカバーする。

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  • CH:3(①Clean/Fat/Tweed、②Edge/Crunch/MK1、③ⅡC+/Ⅳ/Extream)
  • CTRL:(各CH)Gain, Bass, Mid, Treble, Presence, Master
  • スイッチ:(CH1)NORMAL/BOLD、(CH2)GEQ, (CH2-MKⅠ)NORMAL/THICK、(CH3)GEQ, BRIGHT/NORMAL
  • パワー管:TRIODE/PENTODE
  • 電源:Full/Variac
  • TIPS:(CH1)FATは低音+、TWEEDは中低音ゲイン増、BOLDは中〜高音域にパンチ、(CH2)Edge→Crunch→MK1でゲインと太さアップ、THICKは太く単音ソロ向き、(CH3)ⅡC+明るい/Ⅳ暖かい/XTM攻撃的、BRIGHTリズム向き。(パワー管)TRIODEヴィンテージ/PENTODEモダン

⑹JP-2C

ドリームシアターのジョンペトルーシのシグネイチャモデルで、ペトが愛用していたマークⅡCがベースになっている。

マークⅤのようにチャンネル内のモード切替はない。

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①チャンネル
  • CH1:クリーンに特化したサウンド
  • CH2:ハイゲインでリズム用を想定されている。
  • CH3:ハイゲインでリード用を想定されていてる。
※CH2とCH3の違い

2つともハイゲイン用でサウンドはほぼ同じ。

唯一の小さな違いは、CH3の方が少しゲインが多く太くまろやか。

※プル/プッシュゲイン

ゲインをプルにすると少量ゲインアップ。

CH2だと、6.0(1時)→7.25(2時15分)

CH3だと、7.5(2時半)→9(4時)

※プル/プッシュプレゼンス

プル:通常のレンジ。倍音成分が多い。
プッシュ:暗めのトーン。標準的な(プル時の)プレゼンスより低い帯域で、トレブルの上の帯域。

※グライコ

2つあり、Ch2とCh3に割り振れる。

V字にするのがクラシックな設定

※Shred

高次倍音と広範囲のトップエンドが増える。

アグレッシブサウンド

割当はCh2かCh2+Ch3。Dドロップ、7弦ギターなどに向いてるらしい。


4.レクチシリーズ

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↑デュアルレクチファイア

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重低音が特徴のモダンハイゲインサウンド

90sに大流行し、当時のポストグランジのバンドがこぞって使用していた。

音の特徴は、強力な低音、塊のような音圧。

⑴チャンネル、モード(デュアル/トリプルレクチ)

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↑セッティング例

①概要
  • CH1:Clean/Pushed      →クリーン/クランチ
  • CH2:Raw/Vintage/Modern  →OD~DS
  • CH3:Raw/Vintage/Modern →OD~DS
②CH1
  •  Clean:クリーン。
  •  Pushed:ローゲインなドライブサウンド

※CH内でモードによるゲイン差が最もある。

③CH2〜3
  • CH2は低音がタイト
  • CH3は低音がファット
  • RAW・VINTAGEはウォームなサウンド
  • MODERNは低音とプレゼンスが強めのサウンド

※RAW→MODERNの順に、超高域・倍音・ゲインが増していく

※Raw≒Vintage。Rawの中〜高ゲイン=Vitageの低ゲイン

⑵ 初期デュアルレクチとの対応関係

※CH2のヴィンテージがオリジナルのヴィンテージを再現。

※CH3のモダンがオリジナルのモダンを再現。

⑶ 整流管、電源

①整流管

チャンネルごとに整流管の切替ができる。

②電流電圧
  • BOLD最大パワー、クリーンのヘッドルーム。
  • SPONGYビンテージ感
※組み合わせ例
  • モダンハイゲイン系→DIODE・BOLD
  • ヴィンテージ系→TUBE・SPONGY

⑷ 機種

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↑ロードキング

  • デュアルレクチファイア(1992〜2000):2CH仕様で、A〜Gまでのバージョンがあり、ブライトやダークなものがある。
  • デュアルレクチファイア(2000〜):3CH /8モード。2CH仕様のものとはプレゼンスが異なり、ブライトでタイトらしい。
  • トリプルレクチファイア:3ch/8モード。デュアルが100Wで、トリプルは150W。
  • ロードスター:4ch/12モード(CH1=Clean/Fat/Tweed、CH2=Clean/Fat/Brit、CH3・ CH4=Raw/Vintage/Modern)。キングの下位ver
  • ロードキング:4ch/12モード。レクチの最高級仕様

 

5.その他

(1)Triaxis 

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ラック型のプリアンプ。

プログラマブルMIDI制御できる。

マークⅠ〜Ⅳとレクチモードがあり、集大成的モデル

ダイナミックボイスという値がグライコ代わりになる。

①Ch1:Rythm(緑/橙)

緑はファット、ブラックフェイス回路

橙はブライト、パーカシッブ

②Ch2:LD1(緑/橙/赤=MK-Ⅰ/MK-Ⅰ/レクチ橙Vintg)

緑はサンタナトーン、橙は緑+暖かさ暗さ

赤はCH2〜3のうち最も攻撃的

③Ch3:LD2(緑/橙/赤=MK-Ⅳ/MK-ⅡC/MKⅢ)

緑は中域ゲイン、ソロ向き

橙はLAサウンドメタリカ、ルカサー、ランドウ。

赤はシュレッド、ザクザク。

 

⑵Lone Star

 

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2チャンネル。

ブラックフェイス風のサウンドで、クリーンサウンドが高く評価されている。

アンディティモンズが長年使用している。

⑶Triple Crown

3チャンネル仕様。

TC-100、TC-50

⑷Trans Atlantic

2チャンネル仕様。

  1. Royal Atlantic (RA-100)
  2. Trans Atrantic (TA-15、TA-30)

⑸Stiletto

ブリティッシュサウンドが狙い。

パワー管はEL84を搭載(他のメサアンプは6L6)

2チャンネル仕様。